社宅規定を作る際のポイントとは?業種ごとに注意すべき点をご紹介!
物件を法人名義で契約し、社宅として利用する際に社宅規定を定めておくことはトラブル回避のためにも大切なことです。自分の会社や業種に合った社宅規定を作るためには、どのような項目を入れるべきかしっかり検討しましょう。ここでは社宅規定とは何か、業種別、企業別に注意すべきポイントについてご紹介します。
社宅規定とは
社宅を利用するのは自社の従業員だけといっても、ルールや規則がなければトラブルが発生した場合の対処に困ります。入居手続きをスムーズにしたり、トラブルを防止したりすることを目的として社宅規定の作成は重要です。
特に明確化しておくべき項目は、賃料や負担額、入居資格、入退去の手続きなどです。家賃に関しては、月額の何%を会社が負担するか、光熱費は入居者の負担にするのかなど範囲を明確にしておくことが必要です。入居者に関しては、独身者のみ入居可にするか、扶養者や配偶者がいる場合には何等親まで入居を認めるかなど従業員間で不公平が生じないように設定しましょう。
入退去に関しても、入居が決まってから入居するまでの期限や契約期限終了後の賃料の支払い負担は従業員にする、退去事由によって退去期限を決めるなど、さまざまなことを想定して問題が生じないよう作成することが大切です。
業種別に重視すべき社宅規定のポイント
業種別にどのような点を重視して社宅規定を作るべきか見ていきましょう。
工場系
工場系は人の入れ替わりが激しいため、短期解約違約金や入居者入替の項目が重視されます。入居者が入れ替わる場合、名義は法人のままにして入居者だけが入れ替わることを可能にしておくなど、特約を設けましょう。
飲食・接客系
飲食業や接客業は店自体が遅くまで営業していることが多いため、従業員の帰宅が深夜になることもあります。電車やバスの本数が日中よりも少なく、トラブルに巻き込まれる危険性も高いため、店から離れすぎていない場所で物件を見つけるよう規定を設けましょう。
保険系
社員自身が安全な場所に住んでいることは保険系では大切です。たとえばマンションの構造や旧耐震NG、ハザードマップ要確認など安全面にかかわる項目を重視します。
IT系
IT系の企業は他企業に比べてテレワーク化が進んでおり、自宅で作業する人も多いので防音やインターネット環境などセキュリティに関する項目を重視します。距離などはほかの業界と比べると重要視されません。
メディア系
広告や出版、マスコミなどのメディア業界は、24時間稼働が基本となっており、有事の際には従業員がすぐに現場や職場にかけつける、迅速さが求められます。そのため、職場と社宅の距離や地域によっては災害警戒地区を避けて何階以上という規定を設けましょう。
企業別に注意すべき社宅規定のポイント
業界だけでなく企業ごとにも注意すべきポイントは異なります。
女性が多い企業
女性社員が多い企業の場合、セキュリティ面であるオートロックや防犯カメラ設置、1階NGなどの規定を設けることが重要です。ただし、セキュリティが充実している物件はそうでない物件と比べて家賃が高い傾向にあります。会社負担も増えるため、どの程度セキュリティ面を重視し、会社負担をどのくらいにするかなど検討する必要があるでしょう。
大手・上場企業
大手や上場企業はどの項目においても男女平等を前提に規定を定めています。男性だから、女性だからという規制を決めずに企業モラルの面からどのような項目を重視すべきかを考えて設定しましょう。
まとめ
従業員の福利厚生を充実させ、引っ越しや転勤に伴う従業員の負担を減らす目的でも利用される社宅。それぞれの企業や業種によって、配慮すべき事項は異なります。まずはサンプルを参考にして社宅規定を作成し、その後、自社でどのような事態が起こりやすいか、どの項目を優先すべきか、勤務先周辺で気になることはないかなどを考慮して自社なりの社宅規定を作りましょう。