社宅の光熱費は従業員と会社どちらが負担する?
一般的に社宅の光熱費は従業員が負担します。原則として課税扱いになりますが、一部例外として取り扱われていることもあるので知っておきましょう。また、在宅勤務のときに発生する電気代を会社負担にする場合の計算式も紹介します。仕組みや義務を理解して、快適に従業員が生活を送れるように、会社としてサポートしましょう。
光熱費は従業員・会社どちらが支払う?
従業員が支払うのが一般的ですが、会社負担にすることもできます。すぐに結論を出さずに慎重に協議することをおすすめします。仕組みを理解して、双方が納得で切るような関係を築いていけるようにしましょう。
原則として従業員が負担する
一般の住宅やマンションで生活するときと同様に、原則として従業員が負担するようになっています。これは、会社の社宅で生活を送っていても、生活を送るために発生した光熱費は従業員が負担します。その理由は、所得税が大きく関わっているからです。
ただし、会社負担にできないわけではありません。どのようにすれば良いのか慎重に協議した結果、会社負担にする場合も考えられるので理解しておきましょう。
光熱費を会社負担する場合の注意点
原則として課税扱いになりますが、一部例外として取り扱われるときもあります。宿舎や寮を運営している会社は知っておきましょう。分からないことは自分たちだけで解決しようとしてはいけません。
原則として課税扱いになる
業務上、自分が生活を送りたいと考えている場所に住めないこともあるでしょう。たとえば、船舶や病院などの特定の場所に、仕事のために居住しなければいけない場合です。こちらの場合は、給与課税扱いにはなりません。
宿直室などで宿泊する場合も同様です。ホテルや旅館の従業員、医師や看護師などが該当するでしょう。一部例外として取り扱われています。そのほかは原則として課税扱いになるので混同しないようにしましょう。
宿舎や寮の定義
キッチン、トイレ、浴室などの一部設備を入居者と共用する場合は、宿舎や寮と定義されます。マンションや住宅では宿舎や寮とは異なり、キッチン、トイレ、浴室などの一部設備を入居者と共用しないので、これらの定義を満たしていません。
そのため、光熱費を会社が負担した場合には非課税の適用外となります。会社には、福利厚生として宿舎や寮などの呼称がありますが、マンションや住宅などと混同してしまうと、会社の負担が増大してしまうので気を付けてください。定義についてきちんと理解しましょう。
独身寮かつ寄宿舎のような場合
光熱費の金額が一般的な使用料であることに加え、従業員ごとの利用額が計算できない場合は、非課税扱いになります。従業員ごとの利用額が計算できない場合とは、キッチン、トイレ、浴室などの共用部分の光熱費の使用料などです。会社負担にした場合の会計処理は、福利厚生費として計上できるので、分からないことは税理士などの専門家に相談しましょう。
在宅勤務の場合について電気代手当
最近は、在宅勤務の従業員が以前よりも増加しているでしょう。この場合の電気代をどのように会社で負担するのか検討する必要があります。後からトラブルが発生しないようにしましょう。
手当を支給するケースもある
電気代の支給を非課税扱いにするための計算式があります。これにより、業務で使用した電気代が詳細に分かるようになります。従業員の金銭的な負担を軽減するために取り組んでいる会社があるので参考にしましょう。
ただし、必ずしも会社が負担しなければいけないわけではありません。従業員が負担する場合もありますが、就業規則に明記していないと後からトラブルに発展してしまう恐れもあるので気を付けましょう。詳細は国税庁のホームページから閲覧できます。
まとめ
福利厚生費について詳しくない場合は、税理士などの専門家に相談して疑問点を解消するようにしましょう。また、自分で調べて情報を得る習慣をつけると良いでしょう。税について知らなかったので損してしまうこともあります。過去の事例を確認するなどして理解を深めることも大切です。ただし、節税の意識だけが強く働いて、社会通念上正しくない行動をとらないように気を付けてください。