社宅に用意した家具家電は経費として計上できるの？

社宅に用意した家具や家電は、従業員の生活をサポートするために欠かせないものですが、これらの費用を経費として計上できるかどうか、迷うことも多いでしょう。本記事では、社宅の家具家電購入が経費として認められる条件やポイントを解説します。経費処理の適切な判断基準を知り、会社のコスト管理を円滑に行うための参考にしてください。

社宅用に家具家電を用意すべきか

結論からいうと、社宅だからといって必ずしも家具家電を用意しなければならないわけではありません。家具家電は本来、従業員が個別で購入し、そろえるべきものです。家具家電付きの物件を借上社宅として提供する場合も、家具家電は切り離して給与として扱います。

切り離すことが難しい場合、非課税となるケースもあるため、実際には判断が難しいところです。また、同じ社宅のなかで、家具家電のある物件とない物件が混在してしまうと、従業員同士で不公平感が生じ、社内トラブルの原因となるリスクもあります。

そのため、社宅管理規定で家具家電をどのように扱うのか明確化することが大切です。家具家電の取り扱いについて詳細を定めることで、従業員間の不公平感を軽減し、トラブルを未然に防げます。

また、家具家電の費用をどのように負担するか、税務上の扱いについても明確にしておくことが重要です。以上のように、社宅用に家具家電を用意する際はさまざまな課題があります。

しかし、従業員の住環境を整えれば、業務効率の向上や離職防止などにつながるでしょう。とくに、新卒従業員や単身赴任者など、すぐに生活を開始できる環境が必要な場合には大きなメリットがあります。

社宅の家具家電は経費として計上できるのか

社宅に家具家電を用意した場合、経費として計上できるのでしょうか。ここでは、ケースごとの具体的な扱いをみていきましょう。

従業員が家具家電を購入した場合

従業員自身が家具家電を購入した場合、会社はその費用を直接負担していないため、経費として計上できません。家具家電の購入は個人の選択であるため、この場合の費用は従業員の自己負担となります。

借り上げ社宅で家具家電付き物件を提供する場合

賃貸物件に家具家電が備え付けられている場合、家具家電が住居の一部として扱われます。この場合、会社が家賃とともに負担した費用は経費として計上可能です。

しかし、あとから設置した家具家電については従業員の経済的利益とみなされ、その費用は給与扱いになる場合があります。修理費用やメンテナンス費用についても、契約条件によって負担者が異なりますが、原則として会社が負担する費用は経費計上可能です。

会社所有の家具家電を貸し出す場合

会社が購入した家具家電を従業員に貸与するケースでは、その費用は従業員への経済的利益として扱われ、給与に加算される可能性があります。購入費用や維持管理費用自体は経費として計上できますが、給与課税の扱いを考慮する必要があります。

会社が家具家電をリースして貸し出す場合

リース契約による家具家電の貸与も、自社所有の場合と同様に、従業員への経済的利益の供与とみなされます。この場合、リース料は経費として計上できますが、給与評価の対象となるリース料相当額を適切に計算する必要があります。

社宅の家具家電を会社で負担する場合の勘定科目

社宅の家具や家電を会社負担で購入する場合、一般的には次のような勘定科目が使用されます。購入した家具や家電を社宅専用として利用する場合、その費用は家具備品費や備品費に計上されることが多いです。

ただし、これが従業員への福利厚生の一環とみなされる場合は、福利厚生費として計上することも可能です。さらに、高額な家具や家電の場合、固定資産として計上し、減価償却を行うケースもあります。

ただし、勘定科目の選定は会社の会計方針や税務要件により異なります。不明点があれば、税理士などの専門家に相談しましょう。

まとめ

社宅用に家具家電を用意するかどうかは、会社の方針や従業員のニーズに応じて判断する必要があります。社宅や家具家電を準備する前に、まずは社内規定を整備しましょう。また、家具家電に関する税務上の扱いは複雑であり、状況によって適用されるルールが異なるため、不明点があれば税理士や専門家に相談することが大切です。社宅の管理が負担に感じるときは、社宅管理代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。