快適な社宅には明確な社宅規定が必要! よく制限されている項目とは
企業が賃貸物件契約を結んだ物件である借り上げ社宅に従業員を住まわせる場合、社宅管理規定を定めて、従業員から同意をもらう必要があります。社宅規定を作成する理由としては利用上のルールを定めることでトラブルの発生を防ぐことにあります。ここでは社宅導入の際の規定作成や規定で制限される項目、特例などについてご紹介します。
社宅を導入するなら規定を作る必要がある
一般的な賃貸物件とは異なり、社有社宅の場合、利用するのは自社の従業員だけなので規定をわざわざ作る必要はないと考える人もいるかもしれません。借り上げ社宅の場合は、自社の従業員だけでなく他の入居者もいるので、賃貸契約書に記載のルールを守っていれば十分といえますが、何かしらのトラブルが発生した場合は企業の評判や信頼の低下につながる可能性もあるので注意が必要です。社有社宅であっても規定を設けていなければトラブルが生じる可能性があるので、トラブル防止や社宅での手続きを円滑に行うためにも必ず規定は作成しましょう。
企業がよく社宅で制限している項目
現実的に何を設定したらいいのか、他の企業ではどんな項目を設定しているのか不安に感じる担当者もいるかもしれません。社宅規定で一般的に制限されている項目にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
賃料上限・割合
賃料は基本的に会社の負担になるため上限と会社負担の割合を決める必要があります。借り上げ社宅の場合、物件によって家賃が異なり社員間で不公平が生じることもあるからです。また、初期費用である敷金や礼金、仲介手数料などは家賃の数か月分と設定されていることが多く、家賃が高いと初期費用も高くなるからです。たとえば上限を10万円かつ会社負担を50%とすれば、公平といえます。
建物構造
建物構造に関しては防災面をどこまで考慮するかによって設定しましょう。木造の物件は火災や地震に弱く、火災保険料が高くなる傾向にあります。また、防音面から見ても鉄骨・鉄筋の物件より劣っているため、木造を選ばない企業が多いです。
階数制限
1階の物件の場合、防犯面に不安があったり、災害に遭いやすかったり、虫などがわきやすいという理由で避ける企業は多いです。水辺や山の近くにある物件は自然災害の被害に遭う危険性も高いため、できるだけ上層階を選択したほうがいいでしょう。
同居人
社員のみ入居可能か、同居人も認めるかを設定しましょう。同居人も可能な場合は、婚姻関係にあるなら許可なのか家族のみ許可、3等親以内であれば許可なども合わせて決めましょう。社宅は会社名義で契約して社員の福利厚生として使われる施設なので、同居人をどこまでの関係にするか検討することが大切です。
職場までの距離
職場からの交通費も会社が負担するため、社宅が職場から遠いと会社の負担が増えてしまいます。一般的には2kmの範囲内や職場の最寄り駅から3駅以内などと設定することが多いです。
特例を認めてもらえるケース
入居したい物件があるけれど、社宅規定に添っていないという理由であきらめることになると、社員から不満が上がってくることもありますので、特例を設けておくことも一つの方法です。たとえば元々ペットを飼っていたので、社宅でも引き続き飼いたいという場合、特例を認める条件で、ペットを飼うことによって発生する費用は社員の負担にするとどちらの希望も満たすことができます。特例は多すぎるとトラブルの元にもなりかねないので厳選して決めましょう。
まとめ
社宅規定を設けることで、基準となるものがあるため入居者はマナーを守って安全な生活を送ることができ、会社もトラブルをできるだけ抑えることができます。職場の場所や物件のある地域によっても定めるべき項目は異なりますが、会社と社員どちらも折り合いのつく規定を作成できれば会社の負担も社員の不満も抑えることができますので、しっかり検討して作成しましょう。