社宅の更新料は会社が負担してくれるの?それとも入居者が支払うの?
あると嬉しい社宅制度。とくに職場の関係で他県へ引っ越す場合、社宅の存在は大変ありがたいものです。なかには社宅に長く住む方がいても珍しくありませんね。賃貸物件には更新料を請求されるところも多々ありますが、果たして社宅の更新料は会社が負担してくれるのでしょうか。入居一時金とあわせて、会社負担の可能性を説明します。
社宅の入居一時金は会社側が全額負担
入居時に必要となる敷金・礼金・仲介手数料をまとめて入居一時金と呼びますが、社宅の入居一時金は例外なく会社側が全額負担することとなっています。会社や地域によって負担できる上限が定められているようですが、福利厚生分野の専門研究機関として存在する株式会社労務研究所の行った調査によると、どの地域の会社でも実際の賃貸市場平均に比べ上限額は高めに設定されているようです。
一方、関西や九州では償却敷金と呼ぶ、解約時に返金されない敷金が存在します。10年~20年前よりは減少傾向にある償却敷金ですが、償却敷金の対象となる物件も視野に入れなければなかなか部屋が見つからない地域もあるとのこと。反対に、解約時に返金される敷金を預託敷金と呼びます。会社の社宅規約には預託敷金なら◯か月、償却敷金なら◯か月までと、詳細に設定されている場合が多いようですが、償却敷金の対象の部屋は会社からあまり好まれないかもしれませんね。
社宅の更新料は会社側が全額負担することが多い
賃貸物件には契約期間が定められており、契約期間以降も続けて入居したい場合、貸主へ更新料を支払って契約更新する必要があります。契約期間は2年であることが多く、2年ごとに更新料を支払う必要が出てきます。すべての賃貸物件で請求されるわけではなく、なかには更新料を請求されない物件もあるようですが、地域によっては支払い義務が生じることを覚えておきましょう。
株式会社労務研究所の資料によると、更新料が全額会社負担であるケースは87.8%と、社宅で生活する9割近くの方が更新料を自己負担しないことが分かっています。社員や物件によって更新条件は変化し、一律ではありません。更新料のように、特定のタイミングでのみ発生する費用を給与天引きすることは現実的でないのです。会社によっては一定額まで会社負担とし、定められた額を超える場合は社員の自己負担となるケースも。しかし一般的には、はじめから会社負担額の範囲内で物件探しがされることが多いようです。
社宅の更新料の相場はいくら?
更新料はすべての賃貸物件で請求されるわけではありません。地域により、請求の有無や相場が異なります。国土交通省が更新料の有無について調査を行ったところ、約40%の物件で更新料が発生することが分かりました。また更新料の相場については、約74%の物件が家賃1か月分と設定しているようです。更新料が設定されている地域は首都圏と京都で多く見受けられます。
一方で、京都を除く関西地方、とくに大阪や兵庫では設定されていないケースがほとんどとのこと。注意点として、更新料は契約期間の満了日を1日でも過ぎると請求されるため、退去予定がある場合は速やかに解約申し入れを行いましょう。社宅の場合、更新料は全額会社負担となるケースが多いため、申告が遅れたことにより、本来は支払わずに済んだ更新料を会社に負担させてしまう事態は避けたいものです。会社に社宅を用意してもらっている以上、トラブルなく社宅を利用したいですね。
まとめ
社宅の更新料は会社が全額負担してくれるケースが多く、多くの会社では更新料だけでなく入居一時金も全額負担してくれることが分かりました。しかし会社が負担してくれるからと安心して、社宅の規約をよく理解せずに利用するのでは問題があります。一定額以上は自己負担となるケースや、敷金の形態によって会社負担の上限を変えているケースも考えられるため、利用する社宅にかかる費用と会社の規約をよく照らし合わせて理解しておきましょう。