社宅の駐車場代は会社負担になる?それとも社員負担?
社宅制度は会社にとって節税メリットのある制度であり、社員にとっても住居費を抑えられる魅力的な福利厚生制度でしょう。その際よく問題になるのが、物件に付随して駐車場代も会社負担にできるのかどうかです。そこで本記事では、社宅の駐車場代は会社負担になるのかについて解説します。
基本的に社宅の駐車場代は会社負担にならない
社宅制度とは、会社が賃貸物件を会社名義で契約し、社員に対して貸し出すことです。なかには社員寮を社宅として提供している会社もありますが、借り上げ社宅が一般的でしょう。都心のワンルームマンションは10万円程度の家賃がかかるため、全額社員負担となると20代前半の社員などは金銭的に余裕がなくなるケースも少なくありません。そこで福利厚生制度として社宅制度があるのです。
ただ、家賃の負担割合は会社によって異なり、上限はありますが家賃に対して5~8割程度を会社が負担してくれるケースが多いでしょう。たとえば家賃10万円の物件を借り上げ社宅とする場合、5万円を会社負担、残りの5万円を社員が負担します。固定費の中でも大きなウエイトを占める住居費の費用を抑えられ、なおかつ会社の近くに住める社宅制度は、社員にとっても魅力的な福利厚生制度といえます。
また、会社も負担した家賃を経費として計上できるため、節税効果があるのです。そこで、社宅に付随している駐車場代も経費として計上できるのかについて疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。駐車場代も会社負担となれば、社員にとっては金銭的負担を軽くでき、会社としても節税につながります。
しかし、原則として社宅に付随している駐車場を法人名義で契約しても、経費として計上することはできません。社宅制度による節税対策はあくまで住宅に対して適用されるものであり、駐車場は対象外だからです。そのため、たとえ法人名義で駐車場を契約し、費用の一部の会社で負担しても経費にはならないのです。
社宅の駐車場代を経費にできる場合もある
物件に付随している駐車場を会社の名義で契約しても、原則として駐車場代を経費にすることはできません。ただし、例外として駐車場代を経費にできるケースもあります。たとえば、車を保有しているかどうかにかかわらず、家賃に駐車場スペースと代金が含まれている場合は、住宅という扱いになって経費計上できます。しかし一般的には物件と駐車場は別で契約するケースが大半のため、珍しいケースと考えましょう。
社宅の駐車場に停めるのが社用車の場合は会社負担になる
社宅に付随する駐車場代は基本的に個人負担となりますが、社用車を停める場合は状況が変わります。これまでは社員個人の車に対する駐車場を前提としていましたが、社用車を停めるための駐車場なら会社負担となるのです。ただし、社宅に付随している駐車場になぜ社用車を停めなければならないのか、きちんと使っているのかを説明しなければならないケースがあります。社用車を停める駐車場として契約しながら、個人の車を停めるといった使い方をするのはやめましょう。
また、経費を増やすためだけに、使わない駐車場を社用車用として契約することもできません。正しい使い方をすれば経費として計上できるため、社用車用の駐車場を契約する場合は制度を利用しましょう。
まとめ
人気の福利厚生制度の一つである社宅制度ですが、社宅に付随している駐車場代が経費として計上できません。あくまで住宅に対して利用できる制度であり、駐車場は住居ではないため対象外になるのです。ただし、家賃に駐車場と代金が含まれている場合や、社用車を停めるために駐車場を契約する場合は経費として計上できます。