社宅と社員寮はどう違う?それぞれの違いとメリット・デメリットを解説
社宅と社員寮を同じものだと理解している方も少なくありません。しかしそれぞれに定義があり、異なる部分も少なからずあります。社員にとって、家賃負担が軽減できる社宅や社員寮制度はありがたいもの。だからこそ、社宅と社員寮についてどのような違いがあるのかを理解することは極めて重要です。ぜひじっくり読んでみてください。
社宅はファミリー向けの住まい
社宅も社員寮も会社側が福利厚生の一環として従業員のために用意した住居であることには代わりありません。近隣の賃貸住宅を比較すると安い賃料で借りられるのはどちらも一緒です。一方で社宅はファミリー向けのものが多く、夫婦や子どもなどを含めた家族と一緒に住むことを想定しています。
また1つの部屋に数人で住むルームシェアタイプも少なくありません。共同の食堂やお風呂、遊技場が付属していることもあります。2DKや3DKといった広い部屋に対応していることが多いのも社宅の特徴の一つです。
社員寮は単身者向けの住まい
社員寮は、民間のマンションやアパートと形態的にはほとんど変わりません。マンションなどを借り上げて、社員に提供している会社も多くあります。基本的に単身者向けであるため、ワンルームタイプが少なくありません。
社宅のメリット・デメリット
社宅には以下のようなメリット・デメリットがあります。
■メリット
家族が居ても利用しやすいのが大きな特徴です。キッチンやバス、そしてルームの共同生活部分がないため、それぞれの家庭のプライベートが維持しやすいのです。さらに会社がマンションやアパートを賃貸し、社員に対して貸し出している場合は、従業員自らが複数の物件の中から好きな場所を選択できることもあります。賃料がやすいのもメリットであり、引っ越しにかかる費用や更新手続きも一般的に会社側の負担です。
また会社によっては、管理費・共益費まで支払ってくれる場合もあり、個人の負担は抑えられます。また所得税および社会保険料が安く住む点にも注目です。家賃手当を差し引いた自己負担額は会社の給与から天引きされるのが一般的であり、結果として節税対策にもなるのです。
■デメリット
先述したように物件を選択できることもありますが、基本的には住居を自由に選択できません。つまり納得の行った立地や設備を持った物件に住めないことも充分に考えられるのです。家族の人数が考慮されていないことも多く、子どもが多い場合は部屋が窮屈になることも考えられます。
社員寮のメリット・デメリット
社員寮には以下のようなメリット・デメリットがあります。
■メリット
敷金や礼金・仲介手数料・保証会社の保証料などといった初期費用を用意しなくても住めるのが社員寮の最大のメリットです。また基本的に単身者向けであり、スペースとしては一人暮らしに最適な広さに設定されていることが多いため、スペース的な不満が出にくいのも特徴のひとつです。
さらにキッチン、バスルーム、ラウンジなどの共有スペースがあると、社員同士のコミュニケーションが取りやすいです。会社の雰囲気に少しでも早くなれたい時にも役立つでしょう。食堂完備の物件であれば栄養バランスに配慮された食事の提供もしてもらえ、健康管理のサポートも安心です。
■デメリット
多くの会社では社員寮の入寮条件を設定しており「新卒から○年目まで」と定められています。したがって、一定期間をすぎると強制的に社員寮からでていかなければなりません。また近年では不景気等の影響を受け、社員寮の整備にコストが回せない企業も増えています。施設の老朽化も進んでおり、水回りの不具合や騒音など何かと不便になるケースも少なくありません。
社宅と社員寮の違い、およびそのメリット・デメリットを解説しました。社宅は基本的にファミリー向けであり、社員寮は一人暮らし向けです。また社員寮は共有部分が多くあり、社宅は共有部分が少ないといった特徴もあります。それぞれのメリットとデメリットがあるため、自身にマッチしたのはどちらか考えた上で利用するか判断するのがおすすめです。