社宅の支払調書には大家さんのマイナンバーが必要！収集方法とは

法人の社宅契約では、年間の家賃や地代の合計金額が15万円を超える場合、支払調書に大家さんのマイナンバーを記載する必要があります。しかし、大家さんによってはマイナンバーの提供を拒否する場合もあり、多くの企業が頭を悩ませているのが現状です。本記事では、社宅の支払調書と大家さんのマイナンバーについて解説します。

なぜ大家さんのマイナンバーが必要なのか？

2016年から、支払調書には支払先である大家さんのマイナンバーの記載が義務化されました。

これは、税務署が法人から提出された支払調書と大家さんの確定申告内容に相違がないかを裏付け資料として確認するためです。しかし、なぜこのような制度が導入されたのでしょうか？

マイナンバー制度導入以前

マイナンバー制度導入以前は、支払調書には大家さんのマイナンバーは不要でした。

そのため、税務署は、法人が支払った家賃や地代の金額が正確に申告されているかどうかを確認することが難しかったのです。

所得税の申告漏れ・不正受給の問題

近年、所得税の申告漏れや不正受給が大きな問題となっています。

とくに、法人が支払う家賃や地代については、申告漏れや不正受給が横行しているといわれています。

マイナンバー制度導入の目的やメリット

マイナンバー制度は、これらの問題を抑制するために導入されました。

マイナンバーを記載することで、税務署は法人が支払った家賃や地代の金額を正確に把握でき、所得税の申告漏れや不正受給を発見しやすくなります。マイナンバー制度導入によって、所得税の申告漏れや不正受給は減少傾向にあります。

これは、マイナンバー制度が一定の効果を上げていることを示しています。また、マイナンバーを用いることで、税務署は迅速に情報を照合し、申告漏れや不正受給を素早く特定することができます。これにより、税収管理の全体的な改善が見込まれます。

さらに、マイナンバー制度は行政手続きの効率化にも寄与しています。異なる行政サービス間での情報共有が容易となり、結果として市民の利便性が向上しています。社会保障の分野では、マイナンバーを使用することで福祉の不正受給防止や効率的な資源配分が可能です。

大家さんからマイナンバーを収集する方法

大家さんからマイナンバーを収集する方法は、法人の支払調書作成において重要です。

しかし、大家さんによってはマイナンバーの提供を拒否する場合もあり、企業が頭を悩ませます。まず、直接対面で依頼する方法があります。この方法は確実性が高く、説明の機会があります。大家さんと直接話して、マイナンバーの必要性や取り扱いについて丁寧に説明できます。

説明する際には、支払調書作成のための必要性や、マイナンバーの適切な管理、提供を拒否した場合のデメリットなどを伝えると良いです。次に、郵送で依頼する方法もあります。直接対面が難しい場合や、大家さんのスケジュールに合わせたい場合に有効です。

郵送で依頼する際には、マイナンバー提供依頼書や返信用封筒を準備し、依頼書に法人の名称や依頼理由、マイナンバーの取り扱いについて記載します。返信用封筒には切手を貼付し、大家さんの住所を記入して送付します。

最後に、管理会社に依頼する方法もあります。大家さんが不動産管理会社に委託している場合は、管理会社を通じて依頼できます。

この方法は大家さんの負担を軽減できる利点がありますが、事前に大家さんが管理会社にマイナンバーの提供を許可しているか、管理会社がマイナンバーを適切に管理しているかを確認する必要があります。

以上の方法を使って、大家さんからマイナンバーを収集できます。それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますので、状況に応じて最適な方法を選択してください。

マイナンバーを収集できなかった場合の対処法

大家さんからマイナンバーを収集できなかった場合、法人の支払調書作成において大きな課題となります。

しかし、慌てる必要はありません。以下2つの対処法を参考に、適切な対応をおこないましょう。

マイナンバー欄を空欄のまま提出する

まず、マイナンバー欄を空欄のまま提出することが考えられます。

しかし、税務署から理由を問われる可能性があります。事前に、大家さんにマイナンバーの提供を依頼した経緯や提供を拒否された理由、代替案としてどのような情報収集を行ったかを整理し、税務署からの質問に備えます。

税務署に事前に相談する

もうひとつの対処法は、事前に税務署に相談することです。

大家さんからマイナンバーを収集できないことが確実な場合は、税務署に相談して具体的な指示やアドバイスを受けられます。相談する際には、収集できなかった理由や支払調書の作成状況、今後の対応予定を伝えましょう。

まとめ

法人の社宅契約では、年間の家賃や地代の合計金額が15万円を超える場合、支払調書に大家さんのマイナンバーを記載する必要があります。大家さんからマイナンバーを収集できない場合、支払調書の対処法として、マイナンバー欄を空欄のまま提出するか、税務署に事前に相談する方法があります。どちらの方法も、事前に準備をしておくことが重要です。支払調書の記載事項や提出期限など、詳細な情報は税務署のホームページや窓口での確認をおすすめします。