社宅の家賃相場・家賃決定時の注意事項を紹介
企業が社宅の導入を検討する際に一番気になるのは、やはり家賃の相場でしょう。家賃相場にもとづいて家賃決定をしないと、入居者の不満につながるかもしれません。そこで今回は、社宅の家賃相場や家賃決定時の注意事項に焦点をあてて詳しく解説します。本記事を、社宅の家賃設定で悩んでいる人の参考にしてください。
社宅の家賃相場
社宅の家賃設定は企業が社宅規程をもとに決定し、従業員が負担する家賃は一般的に周辺相場の半額以下、または平均家賃の10〜20%程度に設定されます。
この金額は、企業と従業員双方にとってメリットをもたらすように調整されるべきです。たとえば、企業が全額を負担すると、みなし給与として課税されるため、税制面での問題が生じる可能性があります。
したがって、企業側と従業員側の税負担を抑えるためには、適切な負担額の設定が必要です。また、企業が社宅を借り上げる場合、支払う家賃は基本的に相場に近い金額となります。
ただし、法人契約は長期的な契約となることが多く、家主との交渉次第では、割安な賃料で借りられる可能性もあります。とくに複数の部屋を借りる場合、一棟貸しやフロア借り上げなど、交渉の余地が大きくなるため、価格交渉を有利に進めることが可能です。
社宅家賃を設定する際に押さえるべきポイントは、従業員から受け取る家賃が企業にとって収入となることです。企業が得られる収入を増やすために家賃を高く設定すると、従業員にとっての負担が大きくなり、福利厚生の目的が薄れてしまいます。
そのため、従業員の負担を軽減することを目的に家賃設定を行うべきですが、家賃が低すぎると企業の収入が減少してしまいます。
社宅の家賃を決める際の注意事項
社宅の家賃を決定する際には、以下の2つのポイントに注意することが重要です。
家賃に含める項目を明確にする
まず、家賃に含める項目を明確にすることが必要です。
たとえば、退去後の修繕費用が誰の負担になるかをあらかじめ決めておくことで、後々のトラブルを防げます。通常、社宅の修繕費用は企業側が負担することが多いですが、企業と従業員双方にとっての公平性を保つために、社宅規程を作成しておくことが重要です。
とくに、社宅への入居が会社都合なのか、従業員の都合なのかによって、修繕費用の負担を区別することが推奨されます。会社都合の入居であれば企業負担、本人都合の場合は故意や過失による修繕費用は従業員負担とする方法もあります。
立地・セキュリティ面を考慮する
次に、立地やセキュリティ面などの条件も考慮することが重要です。
家賃を低く設定しても、社宅が職場から遠かったり交通の便が悪かったりすると、従業員が不満を抱く可能性があります。また、セキュリティ面がしっかりしていないと、従業員が安心して住めません。
逆に、家賃が多少高くても、管理人の駐在やしっかりとしたセキュリティ対策が取られていれば、従業員にとっては住みやすい環境となるため満足度が向上するでしょう。したがって、立地やセキュリティを考慮した家賃設定を行うことは、従業員の福利厚生としても重要な要素となります。
まとめ
本記事では、社宅の家賃相場や家賃設定時に気をつけるべきポイントをまとめて紹介しました。社宅の家賃設定は、企業と従業員の双方にとって重要な要素です。一般的に、従業員が負担する家賃は周辺相場の半額以下、または平均家賃の10〜20%程度に設定されます。企業が負担する場合、税制上の問題を避けるために適切な負担額が必要です。また、社宅を借り上げる際には長期契約を前提に家主と交渉すると、割安な賃料を実現できる可能性もあります。家賃決定時には、修繕費用の負担者や、立地・セキュリティ面を考慮した設定が重要です。これにより、従業員の満足度を高め、企業の福利厚生としての役割を果たせます。
