社宅「代行」と「転貸」の違いとは?どちらの委託形式がお得?
社宅管理代行と転貸。これらの違いはどこにあるのか、得られるメリットについてご説明します。
「代行」と「転貸」の違い
社宅代行サービスは、社宅管理の代行です。家賃の支払い、部屋探しの契約代行などを請け負います。
転貸とは、又貸しのことです。家主と契約した上で、別の人に貸し出す方法です。ですが、一般的な居住用賃貸契約ではほとんど禁止されています。
転貸システムを導入する社宅管理代行会社も
社宅代行は会社と家主の契約、物件の管理などの実務を代行するサービス。これに加えて、最近は転貸システムを取り入れている会社もあります。転貸の場合、契約者が代行業者に敷金を預託済みですから、敷金の負担や残高管理が不要です。これにより、敷金の未収などのリスクを減らせます。
■転貸形式のメリット
では、この転貸方式のメリットとは、どのようなものなのでしょうか。まずは、先に書いたように敷金未収のリスクを減らせるほか、窓口の一本化、会計の負担が軽減される、解約精算のチェックが不要になります。借主が社宅代行業者であるため、会社側の負担を減らせるのです。
また、賃貸借契約上のトラブルはすべて代行業者が対応します。この賃貸借契約データは電子データとして会社に送付されます。これで、業者と会社での認識を一致させられます。さらに、支払調書の作成も不要です。
「代行」と「転貸」どちらの委託形式がお得?
結論からいえば、とくに差はありません。どちらを選ぶか、その基準は、目的によって違います。会社価値を求めるなら転貸。実利ならば代行がよいでしょう。実務の面では、代行も転貸もさほど違いはありません。
転貸方式は会社や業者に都合をあわせた条件で契約できます。借主を一本化することで、契約、解約時のリスクを回避します。これにより、会社価値を高められます。
代行は、契約に関わる事務仕事をまかせるのみですが、言い換えれば委託コストを抑えられるということです。また、解約や保険など一部手続きのみ代行するという業者もあります。つまり、コストやニーズにあわせて、サービスが幅広く提供されているのです。
捺印代行と代理捺印
捺印代行と代理捺印は、言葉こそ似ていますが、まったくの別物です。捺印代行とは、捺印を代行してもらうことです。つまり、不動産の貸借契約時、契約用の印鑑を代行業者に預けて、捺印してもらうことです。法的な問題はありませんが、悪質な業者の場合、印鑑の悪用や紛失のおそれがあります。
代理捺印とは、代行業者を代理人として捺印してもらうことです。このとき、捺印に使われるのは代行業者の印鑑です。この場合のリスクは、会社の意図しない契約を、業者の印鑑によって結ばれてしまうこと。商法では、商行為に関して委任状を作成する、それを見せることは必要ないとされています。
捺印代行、代理捺印、どちらにしても、備えとして、事前に損害賠償を含めた契約事項を取り決めておきましょう。さらにいえば、そうした悪質な業者を避け、信頼できるところに依頼しましょう。
■社宅代行ではどちらがよい?
まず、社宅管理代行業者は、あくまで「社宅の管理を代行する」ことが仕事です。代理人業務は、そこに含まれていません。印鑑は会社の顔でもあります。会社の信頼が根底から揺らぐ事態を招きかねないような行為は、やはり避けるべきでしょう。捺印代行、代理捺印、そのどちらもルールや条件を明文化、文書化して、提示することが大切です。
まとめ
社宅管理代行と転貸の違いについてご説明しました。両者に差がないだけに、迷いの元にもなりかねませんが、まずは会社の目的を明確にしましょう。その上で、ベストな選択のため、その内容を業者と決めていくのです。捺印についても、主導権はあくまで会社側にありますから、大切な舵を預けるときには、同時に責任を持たせましょう。